ヒートシンクについて

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ヒートシンクは、電子機器の熱を効率よく逃がすための冷却パーツです。
発熱しやすい部品に取り付けることで温度上昇を抑え、機器の性能維持と長寿命化に貢献します。
素材や形状を工夫することで、限られたスペースでも高い放熱効果を発揮します。

こうした放熱性能を安定して発揮するためには、ヒートシンクを構成する素材の選定が重要な要素となります。

治具と放熱板

ヒートシンクは熱伝導率の高い金属で作られます

材質特徴
アルミニウム軽い・加工しやすい・安価。最も一般的
アルミより熱伝導率が高いが重く高価。高性能CPU/GPU向け
セラミック近年登場。絶縁性が必要な用途に使われることも

◆ヒートシンクとは?

ヒートシンク(heat sink)は、電子機器が動作中に生じる熱を効率よく外部へ放出するための放熱部品です。放熱フィンや冷却フィン、放熱板といった名称で呼ばれることもあります。

CPU・GPU・M.2 SSD・パワー半導体など、発熱量の大きいデバイスに取り付けることで、内部温度の上昇を抑制し、性能の安定化や故障リスクの低減に貢献します。

◆どうやって冷やすの?

ヒートシンクは、熱力学第二法則(熱は高温→低温へ移動する)を利用しています。

  • 熱源(CPUなど)から熱がヒートシンクへ伝わる
  • ヒートシンクの広い表面積から空気へ熱が逃げる
  • 結果として熱源の温度が下がる

フィン(薄い板)やピン(棒状)を多数並べるのは、表面積を増やして放熱効率を高めるためです。

◆種類(冷却方式)

ヒートシンクには大きく3つの冷却方式があります。

  • 自然空冷(パッシブ
    ファンなし
    静かで故障リスクが少ない
    放熱性能は控えめ
  • 強制空冷(アクティブ)
    ファンで風を当てて冷却
    一般的なPCのCPUクーラーがこれ
    放熱性能が高い
  • 水冷
    水を循環させて冷却
    大量の熱を処理できる
    コスト・構造が複雑

◆形状の種類

ヒートシンクは用途に応じて形状が異なります。

  • プレートフィン(平板フィンが並ぶ)
  • ピンフィン(針状のピンが多数)
  • コルゲートフィン(蛇腹状)
  • フィンレス(平板のみ)

◆放熱板が活躍する主な分野とその役割

放熱板(ヒートシンク)は、私たちの生活のあらゆるところに関わっています。
精密・小型タイプの放熱板は、特に次の分野で大きく貢献します。

①電子機器の長寿命化・省エネ化に貢献
 スマートフォン、ノートPC、タブレットなどの内部には高密度な電子部品が詰まっており、熱が原因で性能低下や故障が起こりやすくなります。放熱板を組み込むことで、下記のメリットがあります。

  • 無駄な発熱を抑え、消費電力を低減
  • 部品寿命を延ばし、廃棄物削減につながる

②データセンター・通信インフラの安定稼働
 5G基地局、サーバー、ネットワーク機器などは常に高負荷で動作し、発熱が大きい分野です。
 放熱板が使われることで、社会インフラの安定に寄与

  • 通信障害の防止
  • サービス停止リスクの低減
  • 大規模な冷却設備の負担軽減

③電気自動車(EV)や再生可能エネルギー機器の安全性向上
 パワー半導体やバッテリー周辺は高温になりやすく、熱管理が安全性の鍵になります。
 放熱板はこれらに組み込まれ、エネルギー効率と安全性を支えています

  • EVのインバータ・コンバータ
  • 太陽光発電のパワーコンディショナ
  • 産業用ロボットの制御装置

④医療機器の安定動作
 CT、MRI、超音波診断装置、分析機器などは精密な電子制御が必要で、熱の影響を受けやすい分野です。
 放熱板があることで下記に貢献しています。

  • 診断精度の維持
  • 機器の長期安定稼働
  • 医療現場の信頼性向上

⑤小型化が進むIoT・産業機器の性能確保
 弊社扱う「0.2mmフィン × 0.2mm溝 × 高さ3.5mm」のような超小型・高密度放熱板は、下記などの熱問題が深刻の上、スペースが限られた機器には価値を発揮いたします。

  • ウェアラブル機器
  • センサー端末
  • ドローン
  • 小型制御基板

微細構造による高効率熱拡散

寿精工では電子機器などの熱を効率的に空気中に放出し、冷却するための部品を生産しております。
弊社が手掛けるヒートシンクの強みは、微細寸法の安定加工と高い熱性能を両立できる製造技術にあります。厚さ0.2mmのフィンおよび0.2mm幅の溝といった高密度構造を、量産工程においても高い寸法精度で再現可能です。これにより、限られた設置スペースでも放熱面積を最大化し、熱抵抗の低減に寄与します。

また、アルミニウムや銅などの高熱伝導材料に対し、素材特性を損なわない加工条件を最適化することで、熱拡散性・耐久性・軽量性のバランスを確保しています。電子機器、パワーデバイス、マイクロ流体冷却など、熱管理が重要となる幅広い分野において、要求仕様に応じたカスタム設計にも対応可能です。


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