放熱板とヒートシンクの違い・選び方

- コラム

放熱板(ヒートスプレッダ)とヒートシンクは、どちらも電子機器の「熱を逃がす部品」ですが、役割が異なります。放熱板は熱源の熱を“面で受けて広げる”部品、ヒートシンクはフィン(突起)で“空気へ逃がす”部品です。本記事では、両者の違い・材質(アルミと銅)・形状の選び方を、精密加工メーカーの視点でわかりやすく解説します。

◆ 放熱板とヒートシンクの違い

結論から言うと、両者は役割と熱の流れ方が違います。放熱板は、CPUやパワー半導体など「点」で集中する熱を金属の面に広げ、温度のムラ(ホットスポット)をなくす部品です。一方ヒートシンクは、広げた熱をフィンの表面積を使って空気中へ放熱します。実際の機器では「放熱板で熱を受け、ヒートシンクで空気へ逃がす」という形で、両者を組み合わせて使うことも少なくありません。

項目 放熱板(ヒートスプレッダ) ヒートシンク
主な役割 熱を面で受けて拡散・均一化 フィンで空気へ放熱
形状 平板・ブロック状 フィン(櫛歯・ピン)形状
得意なこと 局所的なホットスポットの緩和 放熱面積の確保
よく使う場所 CPU/GPU直下、パワーモジュール 基板・電源・筐体

◆ 材質の選び方(アルミと銅)

放熱部品でよく使われるのはアルミニウムと銅です。熱伝導率の高さなら銅、軽さ・コスト・加工性ならアルミ、というのが選定の基本です。

項目 アルミ(A6063等) 銅(C1100等)
熱伝導率の目安 約200 W/(m·K) 約400 W/(m·K)
重さ 軽い(比重 約2.7) 重い(比重 約8.9)
コスト 安価 高価
加工性 良好 やや難しい(粘り・重さ)

発熱密度が高くスペースに余裕がない箇所は銅、軽量化や量産コストを重視する箇所はアルミ、と使い分けます。銅の放熱面とアルミのフィンを組み合わせる設計も有効です。

◆ 形状(フィン)の選び方

ヒートシンクは、同じ体積でもフィン形状によって放熱性能が変わります。自然空冷か、ファンによる強制空冷かで最適な形が異なります。

  • 櫛歯(ストレート)フィン:加工しやすく、一方向の風(強制空冷)に向く
  • ピンフィン:全方向の風に対応しやすく、自然空冷でも効きやすい
  • フィンの薄さ・枚数:増やすほど表面積は広がるが、加工難易度と風の通りやすさのバランスが必要

◆ 寿精工の放熱部品加工

株式会社寿精工(長野県岡谷市)は、マシニング加工・複合加工を得意とする精密加工メーカーです。スーパーコンピュータ「富岳」の冷却装置部品を手がけた実績があり、アルミ・銅いずれの放熱部品にも対応します。図面段階からの放熱板の設計・治具製作のご提案や、試作・小ロットの製作も可能です。「この発熱をどう逃がすか」という構想の段階からご相談いただけます。

◆ よくある質問

放熱板とヒートシンクは両方必要ですか?

必ずしも両方が必要なわけではありません。発熱が局所的でムラが課題なら放熱板、放熱面積の確保が課題ならヒートシンクが有効です。発熱量が大きい機器では、両方を組み合わせると効果的です。

アルミと銅、どちらを選べばよいですか?

熱伝導率を最優先するなら銅、軽さ・コスト・量産性を重視するならアルミが基本です。設置スペース・重量制約・コストを踏まえて選定します。迷う場合は、発熱量と使用環境をお知らせいただければご提案します。

少量・試作だけでも対応してもらえますか?

はい。寿精工は試作・小ロットの製作に対応しています。量産前の評価用部品なども承ります。まずは図面やイメージをお持ちください。

放熱板・ヒートシンク・治具・複合加工のご相談は、長野県岡谷市の株式会社寿精工へ。図面段階からのご提案・試作・小ロットにも対応します。

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